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2017.11.15

雪が降った。

 

入院していた頃も降ったようなことを聞いていたが

僕にとっては今日が初雪だ。

 

 

 

なぜだかはわからないが、

今日までなんとなく

今は春だという感じがしていた。

 

1回目の入院が3月だったから錯覚したのかな。

病院はとにかく季節感がないんだ。

 

 

 

しかしこれから冬が来ると思うと

なんとも憂鬱だ。

 

 

 

冬が嫌いかというと、そういうわけでもない。

 

雪は好きだ。

降り方がいつも同じでなく

表情がコロコロ変わるところがいい。

 

静かな夜にしんしんと降る雪がとりわけ良い。

 

街灯に照らされる、大粒で、ゆっくりと降る雪。

あの、音が吸収されていくような静けさ。

 

あれがものすごく好きだ。冬にしか味わえない。

 

どうして雪が降ることで静寂が強調されるんだろう

 

そして"しんしん"という擬音のしっくり感ったらない

お風呂の"かぽーん"に匹敵する天才的表現だ。

 

 

 

でも冬は寒い。それはやっぱちょっといやだ。

 

冬が寒くってほんとに良かった

って思うような

らぶきゅんエピソードを経験したことがなければ

雪が降ればいいと口を尖らせたこともない。

 

 

 

ただマフラーをぐるぐると巻いて

寒そうに口元を中に埋める女の子は可愛い。

 

いとをかし極まりない。そうだろう、男子諸君。

 

 

 

ぜんぜん冬関係ないんだけど

からし色の服を着た女性にとても惹かれる。

 

ワンピースだとなお良い。

正直それだけでなんか好きになりそうになる。

 

 

 

なんの話だ。

 

 

 

 

 

一昨日、めでたく病院を退院した。

 

帰り際、入院の3回ともお世話になった看護師さんに

「もう来ちゃだめだかんね。」

っていじわるな笑顔で言われた。

 

なんだそれ可愛い。あなたに会いに来ていいですか。

 

なんて言葉は飲み込み、こちらも笑顔で手を振った。

 

 

 

これから半年間はリハビリに専念することになる。

 

ごっそりなくなった足回りの筋肉を鍛え、

骨が回復するのをひたすら待つ。

まるで冬眠のように、我慢する時期だ。

 

仕事を始めるのはもう少し先になる。

それまでは実家に甘えさせてもらうしかない

 

 

 

20代前半のこの3年間は

自分の人生において、きっと大きな分岐点になるだろう

 

治った後どうなるのか想像はできない。

ただこの3年間を悔やむことはしたくないと思う。

 

きっと糧になる。

だから今は我慢だ。

 

なんとかなる、って

どっしり構えようじゃないの。

 

 

 

もうすぐ25歳になるらしい。

 

まだまだ自分は若い。

なんだってできる。